皆さん、こんにちは。船井総研ホールディングスの山本です。
「実家が八百屋を営んでいる」「祖父の代から続く工場がある」「親が会社を経営している」。そうした家庭で育った人が、就職活動でふと感じる違和感があります。周りの同級生と、お金や商売の話の前提がどこか噛み合わない。その違和感は、弱みではなく強みです。
「実家が商売をしているのって、就活で話すことなのかな」。そう思っている人ほど読んでほしい内容です。本記事では、こうした人を指す「家業人財」とは何かを、定義・規模・強み・キャリアの選択肢の順に、データとともに整理します。
家業をバックグラウンドに持つ家業人財社員が登壇したスペシャルセッション(約40分)
この記事でわかること
- 「家業人財」の意味と、いま注目されている背景
- 新卒の家業人財は日本にどれくらいいるのか(ふないま独自推計)
- 船井総研グループの新卒コンサルタントに家業人財が多い理由
- 「家業を継ぐ/継がない」を含む、家業人財のキャリアの選択肢
家業人財とは何か
家業人財とは、実家が会社や個人事業(家業)を営む家庭に育った人財を指す言葉です。多くは幼少期から経営者である親の判断や商売の現場に触れ、損益や意思決定への感覚、経営者との距離感を自然に身につけています。船井総研グループは、こうしたバックグラウンドを持つ人財を採用・育成において重視しています。
用語の定義:家業人財(かぎょうじんざい)
実家が事業(家業)を営む家庭で育ち、経営者である親の姿を間近に見ながら、経営や商売への感覚を自然に培ってきた人財。
※ 船井総研グループが公表する家業人財比率は、船井総合研究所・新卒コンサルタント職のうち「実家に家業を持つ(企業経営者のご子息・ご息女)」に該当する割合を指します。
「家業」の業種や規模はさまざまです。冒頭のセッションに登壇した3名の実家も、神戸市中央卸売市場のマグロ中卸業、青果市場や花屋を営む家系、兵庫県出石町の観光蕎麦屋と、業種も規模も大きく異なります。共通するのは「親が事業の意思決定者である家庭で育った」という一点です。
なぜいま「家業人財」が注目されるのか
背景には、中堅・中小企業の経営者の高齢化と事業承継の課題があります。企業経営者の平均年齢は60.8歳と、統計を遡れる1990年以降35年連続で上昇を続けています(2025年・帝国データバンク)。後継者が決まっていない企業の割合(後継者不在率)は50.1%(2024年・帝国データバンク)。2025年までに70歳を超える中堅・中小企業の経営者は約245万人にのぼり、うち約半数の127万人が後継者未定と試算されています(中小企業庁・2019年)。家業を継ぐ人、そして家業を支える人としての家業人財に、社会的な関心が高まっています。
新卒の家業人財は、日本にどれくらいいるのか
「学生の親が経営者か」を直接尋ねた公的調査は存在しません。そこで当社では、複数の公的統計を積み上げて人数を推計しました。以下は船井総研グループ独自推計(公的統計に基づく試算・誤差±30%)です。
2025年度の新卒(大学・大学院の企業就職者)に占める割合(範囲A・中位推計)
範囲A(両親が経営者・個人事業主)の中位推計。誤差±30%
家業との関わりをどこまで含めるかで、推計値は変わります。本記事で「家業人財」という場合は、最も狭い範囲A(両親が経営者・個人事業主)を中心に捉えます。範囲B・Cは広義の参考値です。
| 範囲 | 定義 | 推計人数(中位) | 新卒就職者に占める割合 |
|---|---|---|---|
| 範囲A | 両親が経営者・個人事業主 | 約5.4万人 | 約11% |
| 範囲B | 両親または祖父母 | 約11.5万人 | 約24% |
| 範囲C | 親戚(おじ・おば等)まで含む | 約19.0万人 | 約39% |
推計の前提:船井総研グループ独自推計について
学校基本調査・大学等卒業者就職状況調査(文部科学省・厚生労働省)、就業構造基本調査(総務省)、経済センサス(総務省・経済産業省)、中小企業白書(中小企業庁)、全国「社長年齢」分析調査(帝国データバンク)などの公的・準公的統計を組み合わせ、世帯単位の自営業主・会社役員比率と新卒就職者数を積み上げた間接推計です。直接調査が存在しないため、誤差は±30%程度を想定しています。
土台となる数字を補足します。2025年3月卒の大学生の就職率は98.0%(文部科学省・厚生労働省)。就業構造基本調査(2022年・総務省)では、有業者に占める自営業主の割合が7.6%、会社などの役員が5.3%で、合わせて約13%が経営者・自営の立場にあります。この比率に新卒の就職者数や年齢構成などの補正を加え、範囲A=約11%という水準を導いています。
船井総研グループに家業人財が多い理由
船井総合研究所の新卒コンサルタント職では、家業人財の比率が高い水準にあります。直近の2025年入社では37.5%(3人に1人)。全国の新卒における推計値(約11%)と並べると、その差は明確です。
家業人財との相性が良い3つの理由
船井総研グループが家業人財を重視するのは、コンサルティングの現場でその経験が活きるためです。登壇者が語った内容をもとに、相性の良さを3点に整理します。
| 相性 | 家業人財ならではの強み |
|---|---|
| 経営者との距離感 | 1年目のコンサルタントが最も苦労する経営者との対話に、20年以上その環境で育った家業人財は物怖じせず向き合えます。 |
| 業種の共通言語 | 飲食・小売・製造など、実家の業界の用語や課題感を最初から肌で理解しています。 |
| 「継ぐ退職」の肯定 | 家業を継ぐための退職を前向きに捉え、退職後も経営研究会などを通じて長く関わり続けられます。 |
家業人財のキャリアの選択肢
将来、次世代の経営に関わりたいと考えたとき、家業人財のキャリアには大きく2つの方向性があります。自らが事業を率いる「事業側(継ぐ・起業する)」の道と、コンサルタントや金融、人材などプロフェッショナルとして経営を支える「支援側」の道です。
どちらが正解ということはありません。継ぐ前にまず力をつける、継がない選択も含めて自分の強みを棚卸しする、支援側から家業に関わる——進み方は人それぞれです。家業人財向けイベントの様子や参加者の声、先輩社員のキャリアの考え方は、以下の記事で詳しく紹介しています。
あわせて読みたい
まとめ
実家が事業を営む家庭で育ったことは、就職活動においても、その後のキャリアにおいても確かな強みになります。周りに対してなんとなく感じてきた違和感やモヤモヤこそが、家業人財の持つ視点そのものです。船井総研グループは、中堅・中小企業向けの総合経営コンサルティングを担うグループの集合体として、家業人財が力を発揮できる環境を用意しています。
家業人財向けのキャリアイベント
実家が商売をされている学生を対象に、自分の強みの棚卸しや「事業側に行くか、支援側に行くか」を考えるキャリアイベントを東京・大阪で開催しています。学年は問いません。
家業人財イベントへのエントリー →