【執行役員が語る】❝グループカルチャー推進の責任者❞として取り組むパーパス経営とは

船井総研ホールディングスは、2023年に「サステナグロースカンパニーをもっと。」というグループパーパスを策定いたしました。

執行役員でありカルチャー推進の責任者でもある住友さんに、新しいグループパーパスを設定した経緯と、その実現に向けた社内取り組みについてお話を伺いました!

 

船井総研グループの”新”理念体系

 

創業から50周年、新たなパーパス設定へ

コロナ禍緊急事態宣言をキッカケにあらゆる分野でデジタルに振り切ったことで、失われかけていたものを取り戻すべく、船井総研グループが取り組んだことは「ファウンダーズスピリットからはじめる理念体系づくり」でした。

船井総合研究所では、約10年ごとに経営者が交代し、その度に理念を見直してきました。2020年はちょうど会社創業50周年であり、緊急事態宣言が発令された年でもありました。

創業から50年経って、創業者である船井幸雄と直接接点のない世代が社員の9割以上になっていたこと、逆にベテラン社員の中には「創業者の考え方が好きでうちに入った」という社員もいることを考慮し、これから10年の理念体系の一番ベースに創業者精神(=ファウンダーズスピリット)を原点として設定することにしました。

 

まずは原点を見直すところからのスタート

パーパス策定に際し取り組んだ手順はこの通りです。

1.ファウンダーズスピリットを改めて理解し、グループの原点としたこと
2.全社員参加型コアバリュー策定プロジェクトの実施=FuaiWay
3.グループビジョンの策定
4.グループパーパスの策定
5.パーパス定着のための取り組み ※現在も継続
 
Founder’s Spirit(創業者精神)
「良い会社を増やし、世のため人のために尽くそう」

 

変化の激しい時代、そして正解が幾通りもある今の時代には、私たちは「一体どこに向かっていくのか?」。それを知るためにはまず、私たちは「一体どこから来たのか?」を紐解かなければなりません。「船井総研グループとは何者か?」「船井総研グループらしさとは何か?」について考える上で重要な、私たちの根底にある「Founder’s Spirit(創業者精神)」を改めて整理していったのです。

改めて直接創業者と仕事をしたベテランメンバー中心に社内プロジェクトを組み、50周年に当たるタイミングでイントラネットの中にこれまでの400冊以上の書籍はもちろん、創業時の躍動感溢れる貴重な社内会議資料や幹部社員に向けた直筆のメッセージ、実際に創業者と仕事をした時のエピソードインタビューなどをデジタル上で格納した特設ページを起ち上げました。

ファウンダーズスピリットからはじめる理念体系は、ありそうでなかなかお目にかかったことがありません。この方法は私共の顧客である中堅・中小企業の2代目、3代目の経営者の方々や百年企業、ファミリー企業の皆さまには特にお勧めしていることでもあります。

 

全員参加プロジェクトの『コアバリュー策定』で価値観の具現化を

理念体系づくりの第二ステップとなるのが全社員参加型コアバリュー策定プロジェクトです。
コアバリューとは、同じ企業で働く全社員にとって中核となる価値観であり、日々のそれに基づいて判断し、行動することを目的に策定します。私たちは「仕事の流儀」と伝えています。
グループ全社員約1500人が組織の枠を超えてチームに分かれ、ディスカッションが行われました。そして各チームから発案されたものを整理し、社員投票で800まで絞り、さらにプロジェクトメンバーによって18チームのアイデアに集約され、全社員投票が行われました。その後、経営陣が討議を重ねてグループコアバリューの「Funai Way」ができあがりました。

👇グループコアバリュー「Funai Way」についてはこちら

 

明確なグループビジョン設定で未来を描く

グループ各社のミッション・ビジョンは、各社が目指す姿・役割を表しています。
今回の新たな経営体制では、これから10年で目指す姿を「パーパス」とし、前準備として経営幹部が中心となって、以下の5つの項目について調査・分析を行いました。

1.ファウンダーズスピリットの整理
2.内部・外部環境分析
3.創業来の大きな経営判断と競争の経緯
4.10年先の外部環境予測
5.ベンチマーク企業比較分析

 

ベースとなる【水源=ファウンダーズスピリット】、【根=FunaiWay】はグループ共通で大切にし、主役の【木=各社のミッション・ビジョン】の部分に関してはグループが10年大切にする志【太陽=グループパーパス】と3~5年の中期で目指す姿【空=中期目標】に向かうべく、各社トップに目指す姿・役割を設定してもらいました。

 

新たなパーパスへの到達

以上を共通認識し、その後、約一年に渡り経営陣が中心となりパーパス策定に入っていきました。
そして2023年1月、当社グループはグループパーパス『サステナ グロースカンパニーをもっと。』を策定いたしました。これは、 これまでのグループ理念『人・企業・社会の未来を創る』、 中核事業会社である(株)船井総合研究所のミッション 『明日のグレートカンパニーを創る』をベースに発展的に アップデートしたものとなります。

当社グループの経営を 10年単位の長期視点で考えたときに、

・当社グループ全社員が共感でき、パワーが出る、これからの仕事の志とは何か? 
・当社グループでしかできない私たちらしい社会貢献とは どのようなものか? 
・クライアント企業のモデルとして当社グループ自身が目指すべき「令和(2020年代から)の良い会社」とはどの ようなものか?
・日本を代表するプライム上場企業の求められる姿とは どのようなものか?
・予測不能な出来事の起こる時代にもしなやかに生き抜き 成長する企業はどうあるべきか? 

といったことを基に、約2年間の検討を重ね、策定いたしました。

 

ようやく完成した新たな10年を見据えた理念体系ですが、この中身は、創業者が繰り返し言っていたことにすべてつながっていることが分かります。

ファウンダーズスピリット「良い会社を増やし、世のため人のために尽くそう」は、人として生まれてきた以上、頭を良くし、意志を強め、力をつけて、世のため人のために尽くそうという創業者の人間観がベースになっています。力をつけるためには「勉強好き」「素直」「プラス発想」になるのが一番近道ということで、これを「成功する人の三条件」と伝えていました。
パーパスに設定した「サステナグロースカンパニーをもっと。」についても、創業者が伝えていた「今だけ、金だけ、自分だけという考えはダメ!」という考えにつながっていることが策定後に分かりました。

 
 ✖       
今だけ  ➡ 持続的に、より長期視点
金だけ  ➡ 世の中(社会・環境)をより良くする、
       よりESG視点へ

自分だけ ➡ あらゆるステークホルダー視点

 

 

サステナグロースカンパニーとは?

サステナグロースカンパニーとは、「サステナブル(持続 的)」と「グロース(成長)」という二つの要素を掛け合わせた 当社グループの造語です。

どのような状況でも業績を伸ばし、企業業績を 持続的に向上できる強さと、持続性やより広いステーク ホルダーを思いやれる優しさを兼ね備えた会社を「サス テナグロースカンパニー」と定義しました。

 

グループパーパスの「実現」に向けた様々な取り組み

そして、2023年からパーパスを知り、覚え、理解を深めて頂き、パーパスをどう日々の仕事で意識し、行動してもらえるかを考え、様々な施策を実施していきました。
まずは、パーパスを知り、覚えてもらうための4点セットを整備。デジタルでもリアルでもあらゆる場所でパーパスが目に入るようにしています。

1.パーパスムービー(日本語、英語、中国語)
2.パーパスポスター設置
3.パーパスストラップ配布
4.パーパスZoom背景配布  等々…


次に理解を深める活動として、経営陣とグループ全社員との数十人単位の双方向ミーティングである「パーパス・タウンホールミーティング」を一年間で15回実施しました。現場最前線で活躍するメンバーがパーパスの声をダイレクトに聞き、「腹落ち」してもらうことが目的です。

どの会社も理念やパーパスを掲げているでしょう。しかし大切なことは、それを日々の現場第一線の社員に意識的に行動に結びつけてもらうことなのです。「なんとなく」「言葉は知っている」で終わらせず、年に一度「カルチャー&パーパスサーベイ」を実施し、認知・理解度の効果測定も定期的に行っています。

 ▼順調に向上しているパーパス理解           

 

そして当グループ独自の取り組みとして、グループパーパスを社員だけではなく、社外のすべてのステークホルダーと共に「サステナグロースカンパニーをもっと。」を目指すべく注力しています。
その象徴が年に一度の船井総研グループ最大のイベント「経営戦略セミナー」内で開催される「サステナグロースカンパニーアワード」です。グループ全社の全員参加で「サステナグロースカンパニー」を見つけ、ノミネートしています。
アワードを受賞した企業のトップの皆さまからモデルとして学び、社外にも発信し、今後も「サステナグロースカンパニーをもっと。」を実現していきたいと思っています。